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整骨院の先生はなぜ「柔道」の資格を持っているの?

2026-05-29

部活でケガをして整骨院に行ったことがある人は多いと思う。そこで施術してくれるのが「柔道整復師」という国家資格を持つ先生だ。骨折・脱臼・捻挫を専門に扱う、れっきとした医療系の資格である。
でも、ちょっと待って。「柔道」整復師って、なんで柔道の名前がついているの?柔道と骨折の治療、どう考えても関係なさそうだけど……。

戦国時代の武士は「治療もできた」

話は戦国時代にさかのぼる。当時、武士が使っていた格闘術が「柔術(じゅうじゅつ)」だ。投げ技・関節技を使って相手を制する武術で、今の柔道や合気道のルーツになっている。
この柔術、実は「関節技で相手を倒す」の宝庫だった。だからこそ、その使い手たちは骨や関節の構造をよく知っていた。相手の肩を外すことができる人は、外れた肩を元に戻す方法も知っていた、ということだ。
 
つまりこういうこと:
関節を「キメる(痛める)」技 = 関節を「整復する(治す)」技 この2つは、同じ体の知識の「表と裏」だった。
 
こうして柔術家たちは道場の傍ら、「骨接ぎ(ほねつぎ)」と呼ばれる施術者として地域で活躍するようになっていった。

「柔道」という言葉が生まれたのは明治時代

生徒 :でも「柔術」が「柔道」になったのはなぜ?同じじゃないの?
 
先生 :いい質問!1882年に嘉納治五郎という人が、柔術をスポーツ・教育として近代化して「柔道」と名づけたんだ。オリンピック競技にもなった、あの柔道の始まりだよ。
 
生徒 :じゃあ、骨接ぎの人たちもそのまま「柔道整復師」って名乗るようになったってこと?
 
先生 :そう!柔術・柔道の流れをくむ骨接ぎが「柔道整復師」として定着して、1970年にはちゃんとした法律のもとで国家資格になったんだ。

歴史の流れをざっくりおさらい

江戸時代 柔術家が「骨接ぎ」として活躍
武術の知識を活かして骨折・脱臼の施術が広まる。
1882年 嘉納治五郎が「柔道」を創設
柔術を近代化・体系化。「柔道」という名称が誕生。
明治〜大正 「柔道整復術」という名称が定着
骨接ぎ師が柔道の流れをくむ施術として認知される。
1970年  「柔道整復師法」制定 → 国家資格に
正式な法律のもとで資格として確立。現在に至る。

今でも養成学校で「柔道」が必修なのはなぜ?

実は今でも、柔道整復師になるための学校では柔道の実技が必修科目になっている。「え、治療とスポーツ、関係あるの?」と思うかもしれないけど、ちゃんと理由がある。
 
●    「受け身」を学ぶことで、転倒・衝撃による受傷メカニズムが身をもってわかる
●    関節を動かす感覚を体で覚えることで、整復技術の理解が深まる
    武道としての礼節・精神性が施術者としての姿勢につながる
 
名前だけが残っているのではなく、その精神と技術体系が今もリアルにつながっているというわけだ。
 

  武術の知 → 医療の技。名前にはちゃんと歴史があった! 


部活でケガをして整骨院に駆け込んだとき、施術してくれる先生はもしかしたら江戸の武士と同じ「体の知識」を受け継いでいるかもしれない。街角の「整骨院」の看板の裏には、そんな数百年分の歴史がひっそりと息づいている。

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