その2 アスレティックトレーナー(AT)になるための資格とは?
前回は、日本スポーツ協会公認のアスレティックトレーナー(以下、JSPO-AT)の仕事についてお話ししました。
今回はアスレティックトレーナー(以下、AT)として働くための資格について触れていきます。
JSPO-ATが必要な資格じゃないかというと確かにそうです。JSPO-ATの単独資格で活躍する方はたくさんいます。ただ、JSPO-ATはスポーツ指導者の資格です。医療系の資格ではありません。前回お話しした傷害発生時の情報収集も、応急手当も、競技復帰に向けたトレーニングも、一定の制限の中で仕事をすることになります。JSPO-ATを目指す人には医療資格との組み合わせを強く薦めます。
本校で学べる鍼灸師や柔道整復師は医療技術職の資格ですので、傷害発生時の評価もより詳細にできます。
診断は医師にしかできませんので、医療機関に送る基本は同じですが、それぞれの資格の範囲で応急手当や治療をすることもできます。ここがとても大きな要素です。
スポーツというのは心身ともに健全な状態をつくり、保つことに貢献しますが、ケガのリスクも隣り合わせです。ケガでスポーツができないという状態はストレスです。そんな時、トレーナーは復帰までのトレーニング指導を行いますが、医療資格を持つとそこに治療を組み合わせることができます。より早く、より良いコンディション作りができるのです。ケガというほどではなくても痛みがあったりこわばりがあったりする状態にも、治療手技を用いることができるのです。実際に現場ではトレーナーへの要求は医療的なことが多く、求人条件もJSPO-ATと医療系資格の組み合わせであることが多いのです。
少し現実的なお話もしましょう。鍼灸師や柔道整復師は開業して自分の治療院を持つことができます。開業しなくてもその資格で働くことができます。業務スタイルの可能性がJSPO-AT単独の場合よりずっと広がるのです。ライフスパンで自分の仕事を考える時、これは大きな利点です。医療系資格で仕事をしながら腕を磨き、チャンスを活かしてスポーツ現場でトレーナーとして活動する。現場引退後は再び医療系資格で仕事を継続するということも可能です。
普段は医療技術者として働きながら、スポットのトレーナー活動をすることも可能ですし、もっと別の可能性も考えられるでしょう。

治療家の視点から見ても、自分たちの資格範囲内の治療に加えて、トレーニング指導や競技特性を理解した動作指導ができるのは、大きな武器になり得ます。スポーツ向けの栄養のアドバイスができたり、メンタルトレーニングの基本を伝えることもできるのです。治療院をパーソナルトレーニング指導もできるコンディショニングルームとして開業する人も増えています。
この両方の準備が、鍼灸師や柔道整復師の就学期間である3年間でできるとしたらどうでしょう。勉強は確かに大変です。ここは覚悟を持って取り組む必要があります。ただ、自分の将来のビジョンがそこに合致するのであれば、頑張る価値は充分にあると思いませんか。
今回は、JSPO-ATを目指すには医療資格との組み合わせがおすすめ、というお話しでした。
次回は資格という枠から離れて、トレーナーという存在に必要な資質についてお話しします。

