明友会研修会は、会場での講演聴講およびオンライン(Web)聴講のハイブリッド方式といたします。
万障お繰り合わせの上、多数の先生方のご参加お待ちしております。
なお、オンライン(Web)準備のために、事前申込(オンライン参加希望者は必須)をお願いします。
※オンライン参加をお申込みの方については、申込時に入力されるメールアドレスは、携帯のキャリアメールは受信エラーの場合がありますので、連絡がつくパソコンなどのメールアドレスをご入力ください。
テーマ:『経絡、ファシアと鍼灸治療』
[第1部]13:00~14:30
「鍼灸臨床における経絡病証の実際 − 経脈病の診察と治療−」
講師 明治国際医療大学 鍼灸学部 教授 和辻 直 先生
2022年1月に世界保健機関(WHO)は国際疾病分類 第11版(ICD-11)を発効し、初めて伝統医学の病態が補章扱いで導入されました。このICD-11伝統医学章には、鍼灸臨床に関連の深い経絡病証が導入されています。日本の伝統鍼灸では、切診を重視し、経絡の異常を把握して、治療に用いています。経絡病証の必要性は、①鍼灸治療で用いる経穴と深く関係する病証である、②経絡に関する病証診断や病態把握として役立つ、③経脈の流注に関する症状や経脈と関連する臓腑の症状を治療することに活用できるなどです。しかし、日本の鍼灸臨床では、経絡病証を部分的にしか用いていないのが現状です。そこで、ICD-11における経脈病証について概説いたします。また最近、日本の経脈病証の現状把握するために調査を行い、その結果の一部を紹介いたします。さらに鍼灸臨床における経絡病証の活用について、経脈病の診察と治療を解説いたします。
[第2部]14:40~16:10
「鍼灸とファシアとの関係」
講師 アボットジャパン 総合研究所ニューロロジー・ハブ 室長 建部 陽嗣 先生
今、鍼灸の世界ではこのファシアに注目が集まっています。実は、ファシアと鍼灸の関連はかつてから言われていました。2010年代頃から沸き起こってきたこの説は、2014年、英国の医師ダニエル・キーオンによって書かれた本「The Spark in the Machine」が出版されると花開きます。わが国でも翻訳され、2018年「閃めく経絡」と題して出版されました。これまで非科学的と否定されてきた、鍼灸師が何気なくおこなってきた手技や、東洋医学の考え方に、ようやく科学的な意味が見いだされようとしています。
鍼灸はエビデンスが乏しいと言われてきました。しかし、世界に目を向ければそうとは言えない状況にまでなってきています。大規模臨床研究が盛んに行われているだけでなく、その機序に迫る基礎研究も広くおこなわれています。近年の鍼灸研究のブレークスルーであるファシアが導く新たな鍼灸の理論について解説します。
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